英語教育

2021年の学習指導要綱が変わり、英語のテストと評価にどういう影響を与えたか?

こんにちは! 鈴木貴之です。

先日塾向けの教材会社である株式会社教育開発出版さんの「中1英語の変化」に関するセミナーに参加してきました。

お話の中で強調されていたのは、

中1の英語がかなり難しくなったので、『中1ギャップ』が大きくなり、その結果英語嫌いの生徒が増えるのではないか。

ということ。

ドギー
ドギー
『中1ギャップ』って何?

中1ギャップとは、小学校を卒業して中学校へ進学した際、これまでの小学校生活とは異なる新しい環境や生活スタイルなどになじめず、授業についていけなくなったり、不登校やいじめが起こったりする現象のことです。

https://www.shinko-keirin.co.jp/shinko/pittarinavi/2020010909/

今までも英語を勉強したことがない生徒さんが中学に入っていきなり勉強を始めることでつまづいてしまい、その結果英語嫌いになってしまうということが多くの生徒さんに起こっていました。

そして、それを解決する方法は一つしかありません。それは「英語が得意になること」。

でもその為には時間が掛かるので、中学生が実施するにはなかなか難しいのです。でもそのままだと中学だけではなくそれを土台とした高校英語も分からなくなる・・・。

そういう生徒さんは本当にたくさんいます。

そこで、この記事では最初に「2021年に変わったこと」の中で重要なことを説明します。

そしてそれを解決する為に何ができるかを最後にお話したいと思います。

2021年の学習指導要領が変わったことで実際に変わったこと

覚えないといけない単語数が倍増

以前は中学校で1200語だったのですが、

2021年からは小学生600~700語+中学校1600~1800語=2200~2500語

を覚えないといけなくなりました。

単純に計算すれば、中学卒業までに覚えるべき単語の数は2倍になったということ。

キャッティー
キャッティー
ぎゃー、2倍?!

英単語を覚えることって大人であれば誰でも覚えがあると思うのですが、簡単なことではありません。かなりの時間が掛かります。

自分が中学生のころを振り返っても、かなり苦労していたことを思い出します。

それが2倍・・・

ドギー
ドギー
かなりきつくない?

中学校に入ってから2500語を覚えようというのは他の勉強や部活その他で忙しい中学生にはかなり厳しいので、小学生からの積み重ねがカギになるでしょう。

ただ、全部が全部スペリングを書ける必要はありません。

受容語彙と発信語彙というものがあり、発信語彙に含まれる単語数は約1000語と言われています。これを中心に覚えていく必要があります(とは言ってもそれも元々の2倍)。

受容語彙:聞いたり読んだりすることを通して意味を理解できるように指導すべき語彙

発信語彙:話したり聞いたりして表現できるように指導すべき語彙(スペリングを覚える必要がある)

中学校学習指導要領より

覚えないといけない文法が増えた

中学3年生に高校で勉強していた「仮定法」「現在完了進行形」「原型不定詞」などが下りてきました。

その結果、もともと中学3年生で勉強していた内容の一部が中学2年生に、中学1年生で勉強していた内容が小学5・6年生に下りています。

つまり、中学3年生卒業までに覚えないといけない文法が増えたということ。

また、授業の進み具合を聞いていると例年よりも速いスピードで進んでいるように見受けられます。

小学生に下りたとはいえそこで英文法をしっかり理解しないで中学に上がると、中学でそのフォローもしながら中学で新しく学ぶ文法を覚えていかないといけません。

正直かなり大変です。

小学生である程度の理解があると楽になるでしょう。

キャッティー
キャッティー
本気で取り組まないと厳しい感じだね

授業の4技能化

特に変わったのはリスニングの扱い。

教科書でも「まずは聞いてみよう」というものが主流となり、聞く力を今まで以上に求められています。

先ほど授業の進みが速いという話をしましたが、ここが原因になっている事情もあります。

〇授業時数は変化なし(1~3年いずれも140時数)

〇教科書は4技能化
(つまり同じ時間で学校の先生はより多くのものを教えないといけない)

その結果、単語・文法の指導時間をどうしても減らさないといけない状況になっているようです。

ドギー
ドギー
1つ1つのことを教える時間が少なくなっているということ?

その通り。

だから、単語と文法はワークや宿題で家でやってもらう、というケースが多い、ないしは増えてくるでしょう。

中1の1学期定期テストにおける技能別割合

詳しい情報は著作権に抵触する可能性があるのでここでは掲載できませんが、一番大事なのはリスニングの配点がかなり大きくなったということ。

元々は10点~20点程度が多かったのですが、教育開発出版さんが80校4751問を集計して分析したところ、平均で25点という結果になりました。

中には40点以上の配点が15%、60点を超えるケースもあったとのこと。

つまり、少なく見積もっても100点満点中25点、1/4はリスニングが占めるということ。

キャッティー
キャッティー
これってリスニングが苦手な子にとってはかなり厳しいんじゃ・・・?

今まではテストで点数が取れる子は文法力と単語力がある生徒でした。

しかし、今後はそれだけでは「音が聞こえない」からリスニング問題が解けず、それがゆえに点数を落とし、英語が苦手だという子が増える可能性があります。

これまでなら成績上位者になっているはずの子が、学校の授業での自己肯定感が低くなって、英語嫌いになりかねない。

とは教育開発出版の講師の方の言ですが、まさしくそういうことが起こっていそうです。

ドギー
ドギー
じゃあ、苦手にならない為にリスニングをどう鍛えたらいいの?

その件に関してはいくつか記事を書いたので、ぜひそちらを参照ください。

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考えさせるようなテストになってきている

テストの読解の内容を分析していくことで、教育開発出版さんはこのようなことを発見しました。

教科書から題材をとってテストの問題になっているもの 19%

教科書外・出所不明の問題 81%

以前は教科書の文章そのまま、または多少アレンジされた形での出題は多かったのです。

でも、それは20%以下。

また、内容が日本語を英語に訳せるとか、英語を日本語に訳せるとかそういうレベルではないものになってきています。

より実用性を重視した問題になってきていて、実際に中学生が生活の中で出会う問題をどう解決するかという出題が見られるようになってきているとのこと。

これ、英語を学問と捉えていればいるほど回答が難しい問題です。

実際、英語はコミュニケーションの手段ですので「意味が分かるか」よりも「意味が分かった上でそれをどう実生活に活かすか、の方が重要です。

キャッティー
キャッティー
言葉そのものの意味と言うより、「その人はなぜそう言っているのか」を知って行動することが大事ってことだね

つまり、英語を5教科の一つ、学問としてとらえるより、それをよりコミュニケーションの手段としてとらえていこうという変化かと思います。

学問的な今までのやり方では日本人は英語を話せるようになりませんでした。だからこそ、その反省を活かした変化だとポジティブに捉えることができます。

また、日本語を英語に訳すというものから、シチュエーション提示型の設問が出てきているとのこと。

次のような場合、英語で何というか、答えなさい。

自分の好きな〇〇を伝える時
相手が毎日英語を勉強しているか知りたい時

単なる訳ではなく、「こういう時は何て言いますか?」という質問です。

正直、英検を勉強しているだけではなかなか解くのが難しい問題です。

私が運営している英会話教室の生徒さんが点数を取れているのはこういう問題になれているからだと考えています。

英検合格者に対する復習をする時に、「こういう時自分だったらどういうか?」という問いかけをかなりしているからです。

その際に文法上の注意や単語の使い方も教えているので、知らず知らずのうちにできるようになっています。

ドギー
ドギー
そういう問題を出されて嫌がる生徒さんもいるみたいだけどね

中学校で「英語嫌い」にならない為に小学生のうちにできること

ここまでで「今までとはかなり違う」と思っていただけたら、この記事を書いた甲斐があります。

でも、それで終わりではありません。

この違いにどう対応していくか、というお話をこれからします。

今までの話を総合すると、中学校になってから英語を勉強し始めると遅すぎる、と言わざるを得ません。

覚える単語数が増え、文法の数が増え、リスニングの配点が増え、英語そのもの以外のコミュニケーション力が求められている。

これが今の中学生が求められていること。

正直かなり大変です。

これを中学生から本格的に英語を勉強してすべて覚えていくのは、できる子もいるでしょうが、多くの子にとっては至難の業。

なぜ難しいのかと言うと、単純に時間が足りないというのが最も大きな理由です。

だからこそ、小学生のうちに何をしておくかということが大事になります。

ドギー
ドギー
どうしたらいいの?

英語を小学生から学ぶというのも一つの手ですが、この場合はどこで学ぶか? が大事になります。

中学校と同じような指導をしている所はお勧めできません。ほぼ意味がないからです。

例えば紙でだけ教えている所、しかもインストラクターが英語の素人である場合はそこで英語を習う意味はあまりないと私は考えています。

基礎は紙で習えますが応用力が付きませんし、応用力がなければ基礎力自体も向上しないからです。

でも、中には「中学英語にもしっかりつながる英語を教えられるスクールが近くにない」ということがあるでしょう。

そういう時は、こちらの教材がおススメです。

これをたくさん聞きましょう。聞きながら読みましょう。シャドーウィングをしてみましょう。意味をイメージしながら読みましょう。

この教材に真剣に取り組めば取り組むほど、中学校に行った時に英語が楽しくなるに間違いありません。

キャッティー
キャッティー
確かに教室でも定期テストの点数が高い子はこれを聞いているよね

正直な話、中学生で英語嫌いにならない方法はたったの一つしかありません。

それは、英語が得意になることです。

私は仕事柄多くの中学生に合っていますが、「英語が得意なのに嫌い」と言う子はいません。

英語嫌いにならない究極的な方法は、気持ちの問題とか考え方の問題ではなく、英語が得意かどうか、これが最も重要です。

そして、今の環境の中で、家庭でカンタンにできてかつ効果が最も高く、リスニング力を伸ばせ、たくさん英語に触れてもらうことで「なんとなく英語が分かる」というところまで持っていってくれる。

そういう教材は今のところ上の教材しかありません。

もし、お子様に「英語嫌いになってもらいたくない」という場合は、ぜひこの教材を始めてみてください。

超お勧めです!!

 

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