こんにちは! 鈴木貴之(@shiogamabtc)です。
今回、下記のような相談を頂きました。
次男が14歳の中学二年生です。英語があまり得意でないようなので困っています
今回の記事では「英語が得意じゃない」と思っている生徒が得意になっていく為に何をしたらいいのかという話を前半にします。
そして後半ではそもそもそうならない為に親ができることについてお話をしたいと思います。
Contents
中学2年生で英語ができなくなったらすべきこと
まず、今まさにこの瞬間で英語が分からないという場合。
何をすべきかは明確です。
それは、教科書を徹底的に覚えること。
参考書に手を出してはいけません。特に分厚い参考書には・・・
分厚い参考書はそれだけでやる気がなくなりますし、何よりそういう参考書はアホみたいに日本語が多い。それをいくらやっても成長しません。
まあ、それも一つの手でしょう。しかしそれをする前にできることはあります。そしてそれは塾に行くほどお金が掛からず、また英語力という観点からはそれ以上の効果を得ることができるようになる方法です。
これを自分でやってから塾に行くと、塾の効果を最大限に享受できるようになります。だから、最終的に塾に行くとしてもこの記事で伝える内容をしっかりやってみてください。
なぜ教科書を徹底的に覚えるのがベストなのか?
それは、
第一に、教科書の内容は非常によく練られていて、効率的に学ぶことができるから
第二に、教科書はそんなに厚くないから
第三に、教科書の内容から定期テストの内容が出題されることが多いから
第四に、教科書はみんな持っているので新しく買うことはないから
です。
教科書の内容さえしっかり覚えれば他に参考書はいらない、それくらいの教材です。
だから、あえて参考書や他の教材を買う必要はないのです。
ただ、内容を理解する必要があるのでその意味ではそれぞれの教科書に合った「教科書ガイド」を買うことは良いでしょう。使うのは教科書の英文の訳が書かれてあるページです。
では次に具体的に何をすべきかをお話しましょう。
やるべきことは教科書を繰り返して暗記するくらい読むこと
暗記するくらい読めば、定期テキストで良い点数を取ることが可能です。
しかも、これからお話する3つの「読む時の工夫」を意識して読むことで、暗記した英文を元に同じ文法の他の英文もカンタンに作れるようになっていくでしょう。
またそれだけではありません。
「暗記するくらい読むこと」はスピーキング力向上にもつながっていきます。
音読しながら読むことで、口が英語のリズムや並び順を覚えるからです。
一般的に学校の英語が難しいのは英語を頭でしか理解しようとしないからです。
でも繰り返し同じ文章を音読することを通して、頭だけではなく
目
口
耳
と3つも期間を通して英語を覚えていくことができます。
スポーツでも繰り返し練習することで意識しなくても体が動くように、英語も同じこと(基礎)を繰り返すことで意識しなくても使えるようになるのです。
教科書を通して5回くらい読むことで、そのようなレベルに行けるでしょう。
それに対しては「読み方を工夫」すれば良いのです。
確かに何も考えずにただ読めば苦痛です。だから、読み方を次にお伝えしましょう。
読む時の工夫1. まずは無理なく読めるようになる
まず、最初の3回はこれを意識しましょう。
目指すべきところは「無理なく読めるようになる」こと。
英語に慣れていない人が英文を読むとどうなるか。
慣れていない頭の部分を使うので、すごく疲れます。読むだけで疲れてしまうのです。
だから、英文を読む時に慣れていない人は読むことに集中しなければ読み進めていけません。読むことで精いっぱいだというのです。
でも、読むだけで精いっぱいだと意味を理解することはできません。
だから、まずは読むこと自体に疲れないようにすることが大事なのです。
なります。
人間とはよくできたもので、慣れてくると疲れないようになるのです。
例えて言えば、ドラゴンボールの悟空と悟飯が精神と時の部屋で「スーパーサイヤ人であること」を特別なことではなく、普通のことにしようと訓練したようなもの。
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教科書をたくさん音読して読むことで、教科書の英文を読むということを特別なことではなく、普通のことにしていくことができます。読めば読むほど読めるようになるのです。
その際に注意していくことは、読み慣れてくるごとにスピードを上げていくこと。
1回目よりは2回目、2回目よりは3回目と読むスピードを高めましょう。
そうすることで、脳の英文の処理速度はドンドン高速化していきます。
速く読もうと思えば脳はそれだけ働きます。ゆっくり読めば、脳もゆったりとしています。
脳の力を最大限に引き出す為には、使ってあげるのが良いのです。
使えば使うほど脳は答えてくれるでしょう。
だから、ストップウォッチを片手に、教科書の1ページを何分で読めるか図っても良いでしょう。そして記憶を取っておけば自分の成長が分かります。
スピードを常に意識しながら読み進めることで、いつの間にか早く読めるようになっていきます。
一回目と二回目の同じページの速度を比べてみてください。
その差に自分で驚くことでしょう。
なお、この段階で優先すべきことはあくまでも音読するスピード。
だから、意味を理解しているかどうかはあまり考えなくて良いでしょう。
読む時の工夫2. 文法を意識して読む
スピードの次は、読みながら文法を意識してみましょう。
「あ、これはbe動詞だな」とか、「これは一般動詞、こっちは進行形、あ、これはcanがあるから助動詞か」
とか考えながら読むのです。
そうして読んでいくと、あることに気づきます。
「同じ文法は、使っている単語こそ違えど並び順はみんな一緒だ」
これが腑に落ちると英語は一気に簡単になります。
なぜなら、教科書とは究極的には文法を学ぶもの。
だから、このことに気づけば教科書を理解したも一緒だからです。
そして教科書を理解すれば定期テストの点数は取れますし、そのまま高校受験にもつながっていくでしょう。
さらに、文法を理解し、単語が分かれば意味も分かるようになっていきます。
そこを目指す為にもこの行程を通過するのは必須なのです。
「英文法とは並び順なんだ」
「教科書で自分が習っているのは、英語をどういう順番に並べるとどういう意味になるのかということなんだ」
と分かれば、急に目の前が開けるような思いになるでしょう。
すると、中学英語は途端にカンタンなものになります。
ぜひ、その感覚をこの行程を通して味わってもらえたらと思います。
ここでは、「品詞」にも注意しましょう。
品詞は、名詞や動詞といった、語を文法的(形態論的・統語論的)な基準で分類したグループのことである。語類とも言う。(中略)
さまざまな言語で見られる品詞として、名詞、動詞の他に、形容詞、側置詞、代名詞、助動詞、数詞、類別詞、接続詞、冠詞、間投詞などがある。
品詞に注意して読むことで、「ある文法ではここにはこの品詞しか入らない」のような理解ができるようになります。
これができるようになるとほぼ並び替え問題で間違えることはなくなりますよ。
読む時の工夫3. イメージリーディング
そして、5回目の時にしてほしいのがこれ。
イメージリーディング。
これは私自身が英語を話せるようになった過程を振り返り命名したのですが、つまり英文を読む時に、日本語の意味を考えるのではなく「英文の内容をイメージしながら読む」読書法。
音読4回目までで英文を読むのがカンタンになり、かつ文法にも頭が回るようになりました。
その結果、単語も分かれば意味が分かるようになっています。
でもそれを日本語にするのではなく、あえてイメージとして捉える。
そうすることで、英文を英語のまま理解できるようになるのです。
そしてそれを繰り返して訓練していくことで、最終的には英語を英語で理解できる『英語脳』を手に入れることができるようになります。
実際私自身が英語を話せるようになったのはイメージリーディングのお陰です。
そしてこれができるようになると、中3以降の定期テスト、高校受験や高校のテスト、大学受験で出てくる長文読解がカンタンになります。
「日本語にしなくても意味が分かる」というのは圧倒的に有利なのです。
5回の音読を通して英語力が圧倒的に高まります。それをしっかりできれば、「英語が得意じゃない」ということはなくなるでしょう。
ただ、ひとつ難点があるとしたら・・・
その通りです。
ローマは一日にして成らず、英語も一日にして成りません。
時間がかかる方法であることは間違いありません。でもそれを掛けないと英語を得意になることは夢のまた夢。
でも中学生でそれをやるのは大変。
ではどうしたら良いのでしょう?
2021年度の教科書改訂が英語に与える影響
ここで「2021年度の教科書改訂が英語に与える影響」についてまとめた内容をお伝えします。
すごく簡単に言うと、2021年度から中学英語は難しくなるということ。
今まで以上の難しさです。
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だから、それに対応できるように小学生のうちから準備していくことが大事です。
小学時代にどういう準備をすれば良いのか?
中学生になってから英語だけに大量の時間を割くことは難しい。
では、どういうことを小学時代にしていけばいいのでしょうか?
1)英語に大量に触れる
まず第一にこれ。
英語にたくさん触れさせてください。
でも多々楽しく遊んで触れればいいというわけではありません。
そういうのはほとんど残りません。
英文を聞いて「なんとなく意味が分かるようになる」というところまで伸ばしてあげないと意味がないからです。
そうしてこそ中学英語につながっていきます。
では、「その為に使える教材」とはどのようなものでしょうか?
私が最もおススメしているのは、NHKラジオの基礎英語シリーズ。
これをひたすら毎日聞くだけでも大きな違いが生まれます。
2)英検にチャレンジする
勉強することが苦じゃないというお子様は英検にチャレンジするのも良いでしょう。
基礎英語を1,2年聴いた上でチャレンジしてみてください。
その際の目標は、
5年 5級
6年 4級
これくらいで良いでしょう。
あまり早く取っても使わない知識は忘れてしまうからです。
これくらいのペースであればちょうど良いでしょう。
3)教室を選ぶ時の指標
なお、英会話教室に通わせることはどうでしょうか?
これについては意味があるし、意味がないとも言えます。
それは世の中には本当に様々な英語を学べる所があるからです。
英会話教室を選ぶ際の指標はこちらの記事で書きました。

ぜひ読んで参考にしてみてください。
一点、この記事にないことを言うと、「体験的理解」を積ませることができる教室にしてくださいということです。
英語を覚えるのに2つの理解があります。
体験的理解
と
知的理解
です。
知的理解は学校での勉強のようなもの。頭で理解していこうというものです。
同じような教え方で学ぶのは意味がありません。中学で英語を苦手になるのは知的理解だけしか提供できていないからです。
だから、「体験的理解」を積ませることができる教室にしてくださいというのです。
英単語をこう並べればこういう意味になる。
となんとなく理解している状態のことです。
これ、日本人が日本語を覚える順序と同じです。
頭で理解したから日本語を話せるわけではありません。なんとなくこういう風に言うとこういう意味になると知っているから話せるのです。
だから、英語もそれと同じ順序で学ぼうということです。
「体験的理解」という土台の上で「知的理解」を得ていく。
すると、無理なく覚えられるようになるのです。
この記事では「次男が14歳の中学二年生です。英語があまり得意でないようなので困っています」という相談からその解決法を記事にしてみました。
お役に立てば幸いです。^^
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