こんにちは! 鈴木貴之(@shiogamabtc)です。
今日は英語教育に関して私が感じていることについてお話をしたいと思います。
内容はタイトル通りで、「リピートさせるだけの英語教育」をしている子供向け英会話スクールがあまりにも多く、その結果子供たちが本当の意味で英語を使いこなせるようになることの邪魔をしていると思ったからです。
例えば、「Where are you from?」という英文があった時に、「何て答えればいいの?」とほぼほとんどの生徒さんが質問してきます。
ただ、これはこういう質問をしてくれるのはむしろ良い方で、もし「リピートさせるだけの英語教育」をされていたら疑問がわく余地なく教えられた答えを言うでしょう。
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言葉は字面ではなく、それが使われているシチュエーションを考える
質問をしてくる私の教室の生徒さんは「答え方が分からない」のではなく、「I’m from」の後に続く言葉を何にしたらいいか分からないから聞いてくるのです。
そういう時は、このように話をしています。
「誰に」「どこで」それを言われたかによって答えは変わるんだよ。
多くの子供たちは「その言葉が使われるシチュエーション」を考えずに、単純に字面だけを見て英語を理解しようと思います。
だから、「Where are you from?」という英文に対して、その答えを書くように言うと「ん?」となるわけです。
こう考えてみてください。
アメリカで「Where are you from?」と聞かれた、何て答えるか?
その通り。都道府県名で応えられても、有名どころじゃないと外国人にとっては「?」となります。
では、日本中から多くの人が集まっている東京で言われたら?
そうだよね。都道府県よりも小さい単位で言われても分からないことが多いでしょう。
例えば、私は宮城県塩釜市出身ですが、東京で「どこ出身なの?」と聞かれたら、「宮城県です」とだけ答えます。「塩釜市」と言ってもどこか分からない人が多いからです。
でももし、出身地の都道府県内で「Where are you from?」と聞かれたら答えは「I’m from Shiogama.」です。
それは、例えば東京で「Where are you from?」と聞かれているとしても、シチュエーションが例えば様々な国籍の人が集まる会合やパーティーだったとしたら、答えとして適切なのは「I’m from Miyagi.」じゃなくて、「I’m from Japan.」になります。
リピートさせるだけの英語教育は、英文の字面だけに捕らわれ、コミュニケーションの本質を見誤らせてしまう危険性があるのではないか。私は常にそのように考えています。
実は、「誰に」「どこで」の他にも重要なことがあり、それは以下の二つです。
①相手の知識に応じて話す
②求められている答えを考える
例えばアメリカで「Where are you from?」と聞かれても、「I’m from Miyagi.」と答えられるケースもあるということです。
どういうことかと言うと、自分に質問者に対する知識があって、日本通だということがあらかじめ分かっている場合。
「I’m from Japan.」ではなく、その人は具体的に「どの都道府県から来たのか?」を知りたいということがあります。
その場合適切な答えは「I’m from Miyagi.」になるわけです。
これは、「相手の知識」に対する理解があり、かつ「求められている答え」に対してまで思考を巡らせているから出てくる答えです。文脈を理解することの大切さ、と言っても良いでしょう。
私は自分の教室ではこのレベルでの会話ができるところまで英語力を伸ばしてもらいたいと考えています。
リピートさせるだけの英語教育ではよくないと実感した時
私の英会話教室には他の教室から移ってくる生徒さんが結構いるのですが、その中で苦労することがある生徒さんというのはだいたいパターンがあります。
長い間他の教室に通っていて、リピートさせるだけの英語教育を受けてきた生徒さんは、そこから抜け出すのに非常に苦しんでいます。
なぜなら、「こう言われたらこう言う」と教えられてきたので、それ以外の言葉が頭に浮かんでこないからです。
How are you?と聞かれたらI’m fine.としか言えないということです。
他にも様々な英語を知っているけど、教えられた答え以外には答えられないという子供たちをたくさん見てきました。
少し単語が異なるだけで、フリーズしてしまい声が口から出てこない・・・。
私はそういうのに触れると、そういう教え方をした先生に憤りが覚えることを止められません。
子供はロボットじゃないんです。「こう言われたらこう言う」なんて、プログラミングじゃないのです。
1つの質問から10の答えがある。それ以上の答えがある。
それが、言葉というものです。
感情的にもなります。そういう教え方をされるくらいなら、英語を学ばない方が良いと思うからです。
我々英語教育者はロボットを育てているのではありません。一人一人の個性を大切にしつつ、自分の言いたいことを相手に分かりやすいように言える。相手が知っていることを思いばかり、相手が聞きたいことを正確にとらえて答えてあげられる。
英語教育を通してそういう人を育てたいと私は思っています。
リピートさせるだけの英語の教え方をするスクールの見分け方
これから小学校でも英語が始まりますので、英語を学ばせようとする保護者の方も多いと思います。
そこで、害悪しかないリピートさせるだけの英語教育を行うスクールの見分け方をお伝えしたいと思います。
見るべきポイントは下記の3つ。
1)生徒の定員
2)レッスン時間
3)毎週教えることが決まっている教室
具体的に説明しましょう。
1)生徒の定員
先生の数に対して定員数が多いという場合、一人一人に時間を割くことはできません。
その為、ある質問に対してそれぞれがバラバラの答えを返すよりも、「こう言われたらこう言う」という指導をしがちです。
その方が先生が楽ですし、まとめやすいからです。
指導力が低い先生であればあるほど、一人一人が言いたいことを言うスタイルの教え方はできません。収拾がつかなくなるからです。
教え方がうまくても、人数的な制限があれば生徒の答えを同じにした方が教えやすいのは間違えありません。
どちらにしろ、先生側、もしくは教室側の都合です。
だから、「生徒の定員」を良く見極めてください。
ひどいところは先生1人に対し、生徒7~12名というところがあります。
こういうスクールではまとまりがないか、まとまっていてもオウム返しのようなレッスンになります。
2)レッスン時間
レッスン時間が短いと一人一人に割く時間が少なくなります。
だから、やはり画一的な指導にならざるを得ません。
レッスン時間が40分、45分の教室ではレッスン時間が流れるように過ぎていき、イレギュラーなことが起こる余裕はありません。そういうことがあっても黙殺されるか、しっかりとした理解を促す前に時間が過ぎてしまうでしょう。
最悪なのは、定員数が多くてレッスン時間が少ない教室。こういう教室はほぼ間違いなくリピートさせるだけの英語教育を行っています。そうせざるを得ないのです。
そして、そういう教室は基本的に儲けることしか考えていません。生徒の英語力の向上・成長なんて二の次です。そういうやり方では英語力が伸びないことを知らないはずがないのです。それなのにそういうことをしているということは・・・。
3)毎週教えることが決まっている教室
こういう教室も要注意です。
フランチャイズ系の教室に多いのですが、「その年のその月のその週は必ずこれをやりましょう」というスケジュールが決まっている教室があるのです。
これではそれをこなすだけでいっぱいいっぱいになります。
フランチャイズ系の教室は自分が良いと思うやり方、生徒さんにとってのベストのやり方ではなく、本部が言うことに従わないといけないようにほとんどの場合なっています。
同じ教室でも色々な生徒さんがいますし、色々なクラスがあります。
一人一人、ひとつひとつのクラスに合わせるよりも、「みんな同じ」の方が楽です。
・・・・・・でも誰が?
先生が、です。
リピートさせるだけの英語教育を受けた結果
「2歳から10年間英会話教室に通っても、中学生になった今も英語を話せるようにならない」というあるお母さんの嘆きの声から私の英会話教室は始まりました。
なぜそのようになってしまうのか? 100万以上のお金を払っても結果が得られないかと言うと、それはまさしくリピートさせるだけの英語教育を受けていたからです。
そして、そういう教室で学ぶとほとんどの場合中学英語も分からなくなります。応用が効かないからです。
もしあなたがお子様を英会話教室に通わせたいという場合、この記事を読むことで「本当の英会話教室」に出会うヒントになったとしたらうれしいです。