こんにちは! 鈴木貴之(@takahanalee)です。
中学生の生徒さんたちをたくさん指導していて思うのは、多くの学生は「辞書の引き方」については学校で教えてもらいますが、「辞書の使い方」についてはほとんど指導されていないということです。
その通り。
ほとんどの場合、自分が分からない言葉がある時に引きますが、一度引いて終わりという学生が本当に多いのです。
でも、一度引いて覚えられるかと言うとそういうことはなく・・・。
辞書を使う目的とは、もちろん分からない単語の意味を調べたり、もしくは日本語から英単語を知る為に使うのですが、でももっと大事なのは「調べた英単語を覚える」ということ。
覚える=脳に定着させるからこそ英語がもっと分かるようになっていくのであって、辞書を引いてそれで終わりでは、英語学習を大きな枠でとらえてみた時に意味がありません。
分からない言葉を辞書を引いて分かるようになる。その結果辞書を引かなくても良くなる範囲が広がっていく。
これが正しい辞書の活用法です。頭の中に定着させてこそ、本当に辞書を使いきったと言えるでしょう。
世の中には「辞書を最初から1ページずつ毎日切り裂き、食べて覚える」なんてすごい人もいますが、普通の人はそんなことはできません。

そこで、この記事では「普通の人でも調べた英単語を脳に定着させることができる正しい英語辞書の使い方」をお伝えしたいと思います。
きれいな英語辞書はダメ
まず最初にお伝えしたいのがこれ。
あなたの英語辞書がいつまでもきれいなままでは、辞書を有効活用しているとは言えません。
ダメです。
なぜなら、辞書はドンドンしるしをつけていくべきだからです。
そうです。
自分が何を調べたのか、調べた時に適した意味はどれかなど、「調べた証拠を残す」のが大事なのです。
それは、自分が後で見た時に「一度調べたこと」が分かるようにするためです。
何もしるしがないということは自分が初めて調べたということ。
その場合は普通に調べ、それで大丈夫です。
でも英語辞典を有効活用しようと思ったら、その後が大事です。
しるしをつけておくことで、もしあなたが同じ英単語を調べたら、以前調べたことが分かるでしょう。この分かることが大事なのです。
なぜなら、「一度調べたのにもう一度調べたということは、自分が覚えられていないということ」だからです。
英単語には自分が覚えやすい単語と覚えにくい単語があります。
一度見ただけですぐに脳に定着する単語と、何度見ても忘れてしまう単語というのがあるのです。
これは人によって千差万別なのでどの単語が、とは言えませんが、自分が苦手な単語を自分自身で知ることが大事です。
なぜなら、そういう忘れてしまう、一回では覚えられない英単語こそあなたが気合を入れて覚えないといけないからです。
では、どうやったら自分にとって脳に定着しやすい単語とそうでない単語の判別ができるようになるのでしょうか?
調べた単語の横に「正」の文字を記入する
最初から「正」お文字を入れないでくださいね。
5回調べた時に「正」の文字になる、あの数を数える方法として「正」の文字を記入するのです。
これで自分が何回その英単語を調べたか分かるようになります。
そして、もし3回調べたにもかかわらず、あなたの頭の端にも引っかかっていないという場合は要注意の単語です。
調べる時に「あれ、これは調べたから覚えているはずだ。何だったかな?」と言って調べる分にはまだ良いのですが、調べたことが全く頭から抜け落ちていた、という場合は「自分にとって覚えにくい単語だ」と自覚しましょう。
そういう単語は辞書を引いただけでは覚えません。ちゃんと覚える努力をする必要があるのです。
うーん。よくその話が生徒さんから出るのですが、正直言ってそれは無駄です。
そういう自分にとって苦手な単語は100回書いても覚えられません。
英単語を覚えるのに100回書くのは無駄
特に、すべての単語を平均的に書いていくのは無駄です。
なぜなら、一度辞書を引いて覚えられる単語はすでに定着しているので、書くだけ無駄だからです。
書くべきなのは、自分が苦手な単語だけ。それをいぶりだすのが英語辞典の役割なのです。
では、どうやって覚えたらいいかと言うと、時間差で覚えているかをチェックするようにします。
例えば、こんな感じに7回その単語を覚えているかのチェックをするのです。
1回目: 辞書で調べた時。しっかり覚えるまで書く。覚えていたら次へ(以下同文)
2回目: 30分後くらいに覚えているか書いてみる。
3回目: 2回目以降、ご飯を挟んで覚えているか書いてみる。
4回目: 翌日の朝に覚えているか書いてみる。
5回目: 3日後に覚えているか書いてみる。
6回目: 1週間後に覚えているか書いてみる。
7回目: 1ヶ月後に覚えているか書いてみる。
しつこいです。でも覚えられない英単語に関してはこれくらいがちょうどいいのです。
もし途中で覚えていなければ、1回目に戻ってください。
そしてこの方法で7回目までクリア出来たら、おめでとうございます! あなたはその英単語を一生忘れないでしょう!
いいえ。100回一度に書くのは自分が比較的得意な英単語だったら覚えられるでしょうが、苦手なものは覚えられません。
なぜなら、苦手なものを一度で覚えられるように人間の脳はできていないからです。
少し語弊がありました。実は、脳は一度で覚えられるのです。でもその覚えたものを自在に引き出すことができません。その「引き出す」ということが自在にできるようになるには、繰り返しその体験をするしかないのです。
考えてみてください。
スポーツでも、同じ動きを何度も練習するでしょう? すると、考えなくてもその動きができるようになっていきます。
それと同じように頭の中にあるもの、脳の中にあるものはその知識にアクセスすればするほど意識しなくても出てくるようになるのです。
だから、7回英単語に時期を置いて触れるようにするのは、この脳の特性から見て合理的なのです。
時間をだんだん広げていくのも、わざとそうしています。
人は時間がたつと忘れていく生き物ですが、何度も経験したことは忘れにくいのです。そしてある一線を越えるとずっと覚えていることができるようになります。特にその知識を使う場面が多ければ多いほど・・・。
もし英単語を覚えられないという人がいたら、この方法を試してみてください。
「一度に100回書いても覚えられない!」と悲観しないでください。
それはやり方が間違っているだけですから。

英語辞書の正しい使い方のまとめ
①英語の辞書は英単語を覚える為に使いましょう。
②そして英単語を覚える際は、自分がすぐに覚えられる単語と覚えるのが苦手な単語を「辞書を引く回数」から知りましょう。
③時間を置いて7回同じ単語に触れることで、苦手な単語を脳に定着させましょう。
色々と自分から調べていくことでどんどん覚えられるようになります。
みんなも頑張ってね!!
単語を覚える際に、リーディングのスキルがあると実はスペリングを覚えやすい。この記事でお伝えしている「フォニックス」を知っている人といない人の間では「単語の覚えやすさ」に天と地ほどの差が出ます。

中学英語の基本についてはこちらの記事をご参照ください(別サイトですが著者は私です)。