こんにちは! 鈴木貴之(@takahanalee)です。
こうしていろいろな自己メディアでいろいろと発信をしていると、たまに事業を始めたいという人から相談を受けることがあります。
その時、まずは何をやりたいのか話を聞くことが多いのですが、多くの場合すごく偏った発想をすることが多いのです。
最も多いのは、「私はこれができるからこれで起業したいんです」という方。
もちろん、他の人より優れているものでお金を頂く、というのは良いのです。
ただ、私が今まで集客指導をしてきた経験上、それだけでうまくいくということはありません。
例えば、こういう発想を良くされる方が「先生業」の人。
「他の人よりこれが得意だから、これを教えればいいんじゃない?」
と思って起業してもうまくいかない。顧客を集められない。
他にも、「私は今までこういう経験をしてきたらこのスキルで起業したいと思います」という人もいますが、それでうまくいくことはあまりありません。
それをこの記事では説明し、そしてではどうすればいいのかまで書いていきたいと思います。
Contents
起業でうまくいく人、行かない人
まず、なぜ上記の内容、「自分はこれができるからこれで起業しよう」がうまくいかないかと言うと、それは「自分起点の発想」になっているからです。
「自分ができることはこれです。買ってください!」
と言っているということです。
これはたとえて言えば、買い物かごに自分が好きな商品をたくさん入れて、「さあ、これを誰に売ろう?」と考えているのと本質的には一緒です。
つまり、商品を作ってからそれをどう売ろうか考えているのです。
これでは売れません。
何かを売る為の方法は二つしかありません。
1)見込み客が欲しいものを売る
2)自分の持っているものを見込み客が実はほしいものだと知らせる
これだけです。ちなみにより簡単なのは1)です。
「自分が売りたいものを売る」は上記の2つに全く当てはまりません。2)の考え方で、それを「見込み客が実はほしいものだと知らせる」ことは可能ですが、これは難易度が非常に高いので起業初期ではおススメしません。
ではどうすればいいかというと、
「こういうことで困っていて、どこにも行きようがない」という人に対して、その解決策を提供するものとして「できること・やりたいこと」で起業するのです。
起業がうまくいかないのは自分中心の起業であることに対して、起業がうまくいくのは業を起こすこと自体が顧客中心。
「自分が起業したいから起業する」と言うのは下策なのです。
前者のパターンでも成功することはありますが、それはたまたま顧客の潜在的欲求と合致したからです。
これでは当たるも八卦当たらぬも八卦の世界。
私自身、英会話教室を立ち上げた時、すでに塩釜では英語をたくさん学べるところがあったにも関わらずたくさんの方にきていただいているのは、この考えを元に立ち上げたから。
「2歳から10年英会話教室に通っても話せるようにならなかった」
というお母さんの嘆きの声から始まり、それを解決するための教室という位置付けで教室運営をしています。そしてその為にできることをたくさん盛り込んでいます。
起業をする時は、「自分ができること」よりも、それを通して「どんな人のどんな悩みが解決できるのか?」を突き詰めてみてください。
今悩んでいる人も一緒です。そうすると、あなたの事業は全く違ったものに見えてきます。
私のところに集客の相談をしに来る方のほとんどは、「自分がやりたいから」「自分がそれを提供できるから」という理由で起業をしています。
それで成功できるのはわずかです。
起業して失敗したくないという人は、「顧客中心」の思考回路を頭の中に作りましょう。
(念の為言いますが、古い意味での「お客様は神様です」とは違います。このあたりはこの記事でおいおい説明します)
起業するにあたりあなたが最も必要なもの
これ、考えたことがありますか?
それらも重要な要素。
でも、最も重要なのは、「あなたから買いたい!」と言ってくれるたくさんのお客様。
いくらあなたが他より優れていても、立地が良いところにお店があっても、「あなたから買いたい!」というお客様が最低あなたの事業と生活を回せるくらいいなければ、あなたのお店はつぶれます。
その通り。
もちろん集客の為のスキルや知識は必要です。それは大事です。
でも、最も重要なものは顧客。
そして顧客に「あなたから買いたい!」「あなたのお店があって良かった!」と言ってもらえるには、その人たちにとって唯一の存在にならないといけないのです。
だから、「起業するにあたりあなたが最も必要なもの」は「あなたから買いたい!」と言ってくれるお客様ですが、そのように言ってもらうには、お客様への深い理解が大事なのです。
それがあるからこそ、「あなたから買いたい!」と言ってくれるのです。
自分のことしか考えていない人が恋人であれば、あなたはいずれその人から離れていくでしょう。しかし、その人があなたのことを本当に考えていてくれるとしたら・・・? 他の人に浮気しようなんて思うでしょうか。
ビジネススクールでは教えてくれないこと
最近相談してくれるのが多いのが治療院の先生なのですが、その中の一人の先生からこのように言われました。
治療家って勉強好きが多いので、マーケティングを知っている人は意外と多いと思います。でも、まったく使い方を知らないので実践しても上手くいかないんです。良いのか悪いのか確認する方法がなくて変な方向に行ってしまうんですよね。以前の僕のように。
治療院の先生はすごく勉強家です。だから色々な所に顔を出したりして、常に勉強をしています。
しかし、その使い方を知らない人が多いとおっしゃられています。
こちらの先生へコンサルティングを通して行ったのは、「院(先生)の強み」と「顧客の欲しいもの」をつなげること。
その為にこの先生の院に今来てくれている顧客の掘り下げを徹底的にやりました。
その結果、うまく「理想の患者さん」とマッチングできるようになってきています。
私がここで伝えたい「ビジネススクールでは教えてくれないこと」って何かというと、ビジネススクールでは「ペルソナ」と言うのを教えています。でもそれってとっても表面的すぎるのです。
例えば、ペルソナとはこういうものです。
ペルソナ(persona)とは、サービス・商品の典型的な ユーザー像のことで、 マーケティング関連において活用される概念です。
実際にその人物が実在しているかのように、年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、家族構成、生い立ち、休日の過ごし方、ライフスタイル……などリアリティのある詳細な情報を設定していきます。
ちなみに、 マーケティング関連の用語の中に、 ペルソナと似た言葉として「ターゲット」「ターゲット マーケティング」というものがあります。実は、混同してしまっているという方も多いのではないでしょうか。
商品・サービスの ユーザー像を考えるという点ではターゲットも ペルソナも同じですが、人物像の設定をどれだけ深くするかが違います。「ターゲット マーケティング」よりも「 ペルソナ マーケティング」の方が、より深く詳細に人物像を設定していきます。
具体例としては、以下のとおりです。
●例1
・ターゲット
20代〜30代、女性、主婦、料理好き・ ペルソナ
山田花子
28歳
女性
専業主婦
都内に住む
夫、長女(5歳)、次女(3歳)の4人家族
料理、カフェめぐり、ランチが趣味
Instagramで料理系の アカウントを日頃チェックしている
自身もレシピ ブログを開設している
友人とのやり取りではLINE、 Facebookを使用することが多い
上記のように、ターゲットは人物像をやや幅を持たせて設定するのに対し、 ペルソナは人物像をリアルに設定していきます。
かなりリアルに設定していくのですが、それが本質ではありません。
大事なのは、「あなたの商品・サービスを利用することで誰の人生を変えられるのか?」ということ。ここが事業の本質です。
起業するにあたり、スキルよりも大事なもの
ここまでお読みいただけたのでしたら、「起業するにあたり、スキルよりも大事なもの」の答えは分かっていることと思います。
その通り。
では「顧客への理解」とはどういうことかと言うと、「あなたの商品・サービスを利用することで誰の人生を変えられるのか?」ということ。
何歳とか仕事は何かとか家族構成とか、そういうことは重要な要素ですが、最も大事な情報ではありません。
最も大事なのは、「あなたが起業することを通して誰の人生を変えられるの?」ということ。
いや。大げさではありません。
「あなたから買いたい!」
「ここは私の為のお店だ!」
「あなたがお店を開いてくれて本当に良かった!」
こういう声をもらいたいとしたら、これは決して大げさじゃないのです。
だから、「顧客への深い理解」は非常に重要。
そして同じくらい大事なのは、「自分への深い理解」でもあります。
それはなぜかというと、「あなたが持つ、あなただけの顧客の人生を変えられる何か」を発見しないといけないからです。
ほとんどの場合、それを深く追求していくことで「あなたが持つ、あなただけの顧客の人生を変えられる何か」も発見できます。
地方にあるとある英会話教室の先生は、自分が「ネイティブ講師じゃないから」生徒を集められないと思っていました。
しかし、「この先生だけが持つ魅力」を引き出していくことで、だからこそ「ネイティブの先生じゃなく、子供にはこの先生から学んでもらいたい!」という生徒さんを集められるようになっています。
自宅で英会話教室を開校したものの、教室への問合せが月に1件ほどしかなく、3ヶ月連続で入会0件の時期もありました。このままではいけないと思い、BTCビジネスソリューションズの鈴木先生に90日間集客ブログ作成プロジェクトでお世話になることになりました。
プロジェクト後は、沢山の方からお問合せを頂き、殆どが入会へ繋がっています。満員となるクラスも増え、中には空きが出るのを待ってて下さる方もいらっしゃいます。以前、鈴木先生の教室が「開校2年で入会を断らざるを得なくなるまでになった」という記事を読み、自分の教室もそうなれたらと夢見ていましたが、それが少しずつ現実化していき嬉しいです。鈴木先生にご指導を頂くことができ、本当に良かったです。
この時行ったことは様々ありますが、最も効果的だと思うのは、先生の過去の体験。
これを聞き出していき、前面に打ちただした結果、「開校2年で入会を断らざるを得なくなるまでになった」が現実化してきているのです。
起業して苦しいと思う理由
ほとんどの場合、苦しいのはお客様が来ないからです。
様々な事情があるとしても、お客様がいないという事情は最も起業家の心をむしばみます。
でもそれは、「必要のないもの」を売っているか、「必要な人はいるけど間違った場所で売っているか」です。
どちらにしろ、こういう問題は「顧客への理解が不足」しているからこそ起こります。
だから、起業してから苦しいと思うより、未来のお客様への理解を深めていきましょう。
もし現時点でお客様がいないという場合、それがゆえに「深い理解」ができない場合があります。
そういう時は、「まずは小さく」やってみましょう。そして初めて見て、どういう人がお客様になってくれるかをよく観察しましょう。そして「なぜその人が申し込んでくれたのか、買ってくれたのか」を考えましょう。
机上の空論より実践を通して得た知見の方が圧倒的に役に立ちます。
起業って、面白い!
これが、私が最後に伝えたいこと。
私は教えるというのが仕事ですが、それを誇れる瞬間はやはり生徒さんやクライアントの「人生が変わった」と言える瞬間に立ち会う時。
英会話教室の生徒さんだったら、「あれ、英語話せる!」という時。
集客指導のクライアントさんの場合はいろいろありますが、「私の仕事ってお客様にとってこういう意味があったのか!」と、「自分の仕事でお客様の人生を変えられると気づいた時」。
その時、クライアントさん自身の人生が変わるのです。今までの自己認識は「●●と言うお店の店主、●●というサービスを提供している人」だったのに、「誰かの人生を変えられる仕事をしている自分」に気づけるのですから。
こういう瞬間に立ち会うことをほどゾクゾクすることはありません。
この記事でお話した内容での起業とは、誰かの人生を良い方向に変えてあげられること。
あなたも、そんな体験をしてみませんか?
