現在私が運営している英会話教室では教室卒業生の生徒さんに夏休みの期間アルバイトとして手伝ってもらっています。
以前こちらの記事でも紹介させていただきました。

高校生なので仕事をするのはうちが始めてみたいで、仕事をすることに対する心構えから教えなければなりません。
今回は、その時にお話したことをお伝えしたいと思います。
今まで働いたことがないという学生さん。もしくはそういう学生の親の方がいたら、この記事が役に立つでしょう。
なかなか心の在り方というか、仕事に対する気持ちの持ち方を教えてくれる人って少ないからです。
特にバイトがバイトを教えるようなところでは、ここでお伝えすることはまず教えてくれないでしょう。それくらいのものをお伝えしたいと思います。

「あなたの給料はどこから出ていると思う?」
この質問、ものすごく重要です。
なぜかというと、仕事が初めての人は勘違いしていることが多いからです。
それどころか、何年も仕事をしていても勘違いしている人がいます。
高校生アルバイトは何と答えたのか?
彼女は言いました。
「え・・・先生(教室)から、ですよね?」
違います。
違います。
もちろん、形としては私が出すように見えます。
でも、私の手にそのお金が来る前に、そのお金はあるところから移動しなければならないのです。
それがどこかというと・・・
その通り!!

アルバイトだとしても忘れてはいけないのは、給料というのは究極的にはお客様から来ているということ。
私がここで言いたいのは、だからお客様は神様だ、とか言うことではありません。立場的にはお客様もアルバイトも一緒です。
ただ、お金を頂いているのが目の前にいるお客様だと思うか、思わないかで大きな違いが生まれるのです。
例えば、よくあることですが、給料は会社からもらっていると勘違いしている人がいたとします。アルバイトの話なので、身近なコンビニで働いているとしましょう。
その人が品出しの仕事をしていて、レジにお客様が並んだとします。
すると、こんな風に考えてしまいがちに。
「自分は品出しの仕事をしている。でもレジに人が並んできたのでレジに行かなきゃいかない。
それは分かる。でも品出しの仕事があるのに何で並ぶんだよ・・・!」
不満に思うと、行動で表してしまうのが人間というもの。
舌打ちをしたしまったり・・・。
そういうのって、聞こえるんですよね。
すると、舌打ちを聞いた人は「もう二度とこんな店に来るもんか!」と思う。実際他に競合が同じようなところにあれば、そちらに行ってしまうでしょう。
これ、どちらも悪くないんですよ。アルバイトは仕事をしようと思っていて、それをお客様に邪魔されたと思っている。そこが問題なのですが、それって普通なんです。心構えを教えてもらっていなければ・・・。
お客様は欲しいものがあるからレジに並んでいる。それだけです。
だから、この場合悪いのはそういうことを教えないお店ということになります。
本来定期的に来てくれるお客様を失ったらそれはお店にとっての損害です。でも、それをやってしまう。でもそれは目では見えない。だから悪いとも思わない。
経営者も誰が原因でそうなっているのかが分からない。
これは非常に怖いことなのです。
でもそれってさらに回るとお客様を失うってことはその人自身が給料をもらう原資を失うということなので、その人にとってもマイナスなはずなのです。
でもいかんせんこのことは目では見えない。これが問題です。
だから、仕事に対する心構えを教えることをおろそかにすることはすごく怖いと私は思います。
高校生アルバイトと仕事について他に話をしたこと
他にもいくつか彼女とお話しました。
ここからは英語を教えるということに対しての心構えなので、一般的ではないかもしれません。でもそれを自分に当てはめて考えることで役に立つ内容となるでしょう。
自分と一見関わり合いのないことからもいろいろなことを学べます。
そういう視点で読んでくださいね。
英語を教えるには英語力以外にも必要なものがある
多くの英語を教えることを仕事にしたいと思う人が誤解しているのは、自分が英語力があれば英語を教えられるということ。
本人にいくら英語力があっても、それがイコールで良い英語講師になれるとは限らないのです。
むしろ、英語力はある程度まであれば十分。重要なのは、それ以外のところだったりします。
では例えばどんな力が必要かというと・・・。
・生徒の性格を理解する力
・生徒の覚え方の違いを見つけ、それを使いこなす力
(一人一人の生徒は覚える方法に癖があり、同じように教えてもある生徒は伸びるがある生徒はその方法では伸びないということがある)
・生徒に対する関心を持てる
・生徒が関心のあることに関して関心を持てる
・生徒から言葉を引き出す力
(心を開かなければ英語のレッスンだといっても言葉が出てこない)
・生徒からの信頼を得る力
・今学校で何を勉強しているのか把握する力
・生徒の英語力を正しく理解する力
生徒に関連することで言えばこんなところ。
なんで生徒さん関連がこんなに多いのかと言えば、もう分かりますね? 生徒さん=顧客であり、仕事というのは顧客を大事にすることから始まります。そして、大事にするというのはこういうことなのです。
その他にも
・(英語に限らず)教えることに対する知識
・子供のやる気を引き出すということに対する知識
・子供の潜在能力を引き出すための知識
・「できない」という子供、自分に自信のない子供を引っ張り、それを180度変えることができる力
・教材に対する知識と、それを一人一人の生徒に対して的確に使い方を教えられる知識
などなど。
もちろん、こんなに必要ないかもしれません。
でも、本気で「英語を話せるようになる教室」を運営したいのだったら、これくらいは必要だと私は思います。
正直言って、適当に教えて、偏った英語力を身につけさせることしかできないとしたら、そういう教室は悪だと私は思います。
そして、仕事をするというのは、仕事をしている時間しかお金をもらうことができません。でも、実際本当に仕事ができるようになる為には、お金をもらえない時間に何をすればいいのかというところにあると思います。
つまり、常に勉強。これができるかどうか。
これって大事。

【余談】
だから、私はブログっていいと思うんですよ。この「本来お金をもらえない時間」をお金にすることができるのですから。
勉強したことの備忘録をブログ記事としてまとめればそれが誰かの役に立ち、多くの人の役に立てばお金がもらえるようになる。素晴らしい仕組みです。
良い先生は教えない先生
「先生」の仕事って何ぞや? という話になります。
多くの人はこう考えています。
親切丁寧に教えてくれる先生は良い先生
私はこれは全く逆だと思います。
教えない先生は良い先生
違います。教えない方が良い先生です。
何でも親切丁寧に教えると、その場では分かった気になりますが、生徒さんに本当の力は尽きません。その場ではできますが、同じ問題が来たらできません。
教えずに、生徒自信の力で解決できるのがベストです。
もちろん、サポートはしますし、やるべきです。
ただし、答えを教えてはいけない。
良い先生は質問力があります。
生徒さんが分からなくなっている原因を分析して、適切な質問をしていくことで生徒さんたちは自分で気づけるようになるのです。
この「自分で気づく」というのが大事なのです。
だから、先ほどのリストにこの「生徒のレベルに応じた適切な質問をする力」も入れたいと思います。また、「生徒さんがなぜ分からないかを分析する力」も。
英語さえできれば英語は教えられる。
そう思う人が多いかもしれませんが、実際にはこれだけのものが必要です。
アルバイトだとしても・・・。
そしてこれは他の仕事でも一緒でしょう。
仕事をするというのはそれだけ大変なことなのです。
ただし、そこに報酬がないわけではありません。
仕事として行った活動には、様々な反応が返ってきます。
勉強の見返りは自分自身の成績アップとそれにつながる未来です。
先生としての仕事の結果得られるのは、給料の他に生徒さんの英語力の成長、人間力の成長、夢の実現など様々です。
そういうことへの直接的・間接的サポートをできるのが先生の仕事。
私はこの仕事を選んで本当に良かったと思います。
仕事って、自分だけじゃなくて、他の人にも良い影響を与えることができるのです。
この記事を読んであなたは「仕事をするって大変なんだ」と思ったかもしれません。
大変です。
あなたが他の人に良い影響を与えるような仕事をしたいのであれば。
でも、だからこそ、楽しいのです。
そう、仕事って楽しいです。

それを最後にお伝えしたいと思います。
追伸
うちのスタイルの講師の仕事は座っていることが多いので、腰に対する負担をいかに少なくするかが課題です。
そこで、こちらの椅子を導入。
これ、すっごく良いです! クッションも柔らかく、ひじ掛けも高いので片方によることがありません(だから腰に良い!)。その上、そんなに高くない・・・。
長時間座っている人にはおススメの椅子です。