前回の記事では私が英会話教室を開業しようと思った理由について詳しくお伝えしました。
また、その際にぶつかった問題が「教室を行う場所」。つまり物件の問題。
私の場合、自宅で開業するという選択肢はなかったのです。アパート暮らしでしたので・・・。
だから、色々と探し回ったのですが、2011年の震災後だった為物件数が非常に少なく、良い物件に巡り合えることがなかなかできませんでした。
今回のお話は、ここから始まります。
(前回の記事はこちら)

Contents
物件を探しながら同時に行っていたこと
さて、物件を探していた時、それだけをしていたわけではない。
他にも様々なことを同時に進行させていた。
では実際何をしていたのか? もしかしたら、教室開業を目指す人が「何を準備したらいいのか?」と悩んでいるかもしれないので、ここで私がしたことをお伝えしよう。
① 教室の中身づくり
教室をオープンするに当たって最も大事なのは、もちろん中身づくりである。
「何をどのように教えるか?」についての大きな流れは頭の中にあったが、実際は色々と決めなければならないことがあった。
これは、今も残っている教室の内容についていろいろと考えていた時に書いたメモ。今見返してみると、本当にたくさんのことを考えなけばならかなかった。

まずは、教室費用。
入会金、年会費、月謝などをどうするかをものすごく考えた。色々と費用について周りの教室のHPで調べていくと、教室維持費や教材費、数万、数十万の入会時に買わないといけない教材費などもあった。
私は、様々な教室費用の項目から3つだけに絞ることにした。入会金、年会費、月謝だ。
なぜこの3つにしたかというと、会計が面倒くさいからだ。
個人の教室の運営者としては、力を入れるポイントは集客と指導の二つだと私は思っている。だから、こういう面倒くさいのは極力カンタンにするようにした。
そしてもう一つのポイントは、地域で最も高い月謝にしようと思ったので、実際そのように設定した。地域で古くから英会話スクールを運営しているところの月謝が60分6000円だ他ので、私は月謝を75分8980円にした。
ちなみに、2018年現在では9980円。これは定員数を少なくし、「話す」ことをメインにするレッスンを行う為には絶対に必要なことだった。
でも、その数字をメモしていた時、私の手は震えていた。本当にこの値段で来てくれるのだろうか・・・と思っていたからだ。車ですぐの教室、しかも古くからある教室が6000円なのに、うちは8980円。1.5倍だ。
でも、「えいやっ!」と決めてしまった。
なお、会計に関しては全くの素人だった(パラオに行く前、2006年に簿記3級は取得しているが、4年で忘れた)。
だから、地元の塩釜商工会議所が会計を手伝ってくれると聞いて、速攻で入会を決めた。3月の確定申告の時も手伝ってくれるので、非常に心強い存在だ。会計ソフトの使い方の基礎もここの職員である星さんに教えてもらった。星さんには頭があがらない。
他にも「体験レッスンはどうするか?」ということも決めなければいけなかった。無料なのか、有料なのか? 期間はどれくらいなのか? など。
ちなみに私は無料にした。有料の教室もあるが、来てさえくれれば80%は入会してくれるだろうという自信があったので、そこはあえて無料にした。「比べるならどうぞ比べて!」とも思っていた。
比べてうえでダメだったら縁がなかったということ。だったら無理に来てもらうよりもそっちに行ってもらった方が良いし、有料にすることで間口を狭めるのは良くないと思ったのだ。それは今でもそう思っている。
あと、生徒さんもいないけど、生徒さんが来たらどんな紹介キャンペーンをやろうか? とか考えていた。これははっきり言って時間の無駄だった。そういうのは生徒さんが来てから考えればいいのだ。まずは、新規生徒さんにどうやって来てもらうか? それが大事。
でも改めてメモを見返してみると、当時考えていて、実際今結果が出ている考え方がすでにここにあって面白い。ではその考え方とは何かといえば、
英語は話せば話すほど話せるようになる

だから、このメモには「使う」という言葉が良く出てくる。
ゲームで学び、使う。
テキストで学び、使う。
学校の教科書で学び、使う。
とにかく「使う」ことにこだわった内容にしたいと思っていて、実際今でもそれは続いている。そのおかげで結構本当に英語が話せるようになってきている生徒さんが増えてきたのが自慢だ。
失敗したアイデアとしては、目標設定が大事だから、「英語夢マップ」というのを入会時に生徒さんに書いてもらおうと思ったこと。
なぜこれが失敗かというと、そもそも自分で目標をもって入ってくる生徒さんはいなかったということ。目標があった方が絶対に覚えるスピードは速いが、幼児や小学生にはそんなものはなかったのだ(たいていは親に言われて通い始める)。

だから、今ではそういう中でも伸ばすためにはどうするか? を日々考えて運営している。
② 地元のいろいろな人に会いに行った。
とにかくいろいろな人に会いに行って、「今度英会話教室を開業します。よろしくお願いします!」と声を掛けまくった。
幸いパラオから帰国後は地元の企業で働かせてもらっていたので、知り合いは市内各地にいた。電話やメールでアポを取って、一人一人に会いに行ったのだ。
それが結果に結びついたかと言えば、全然つながらなかった。
それどころか、挨拶に行った後でその人が自分の孫を他の英会話スクールに入れたりしていた。
でもまあ、いいのだ。
とりあえずは「自分はここで事業やるぞ!」と伝えられたのだから。
③ 月謝の支払い方法についての調査
あとやったのは、月謝をどうやってもらうかという調査。
最終的には月謝袋(現金)、銀行・ゆうちょ銀行の自動振替、そしてクレジットカードの3つに落ち着いた。
月謝袋はネットで100枚入りのが安く売っているので、それを購入。
領収証は100円ショップのものを使用。ただし、オリジナル性を出すために住所印を注文した。これが手書きかハンコかでは見た目が違う。月謝袋にも使えばオリジナルの月謝袋にすぐになる。
銀行は地元の信用金庫が毎月一定の日に振替をしてくれるというサービスがあったので、それを使うことにした。ゆうちょ銀行にも同様のサービスがあるので、それを使うことに。
クレジットカードに関してはPaypalを利用することにした。以前から使っていたので使い方が分かっていたからだ。
※ 今はSquare(スクエア)というサービスを利用している。Paypalはその場で決済できない(オンライン上での決済が必要)が、スクエアはその場でカードをもらって決済が可能。
④ 近くの大都市である仙台の英会話スクールを調査
当時は「仙台からも生徒さんを引っ張ってやるぞ! それくらいのスクールにするぞ!」と思っていたので、仙台の英会話スクールをネットと実地で調査させてもらった。
その結果、いろいろなスクールがあり、いろいろな考えで運営していることが分かった。それが今の教室運営に活きている。
⑤ 市役所関連
それまで使っていた保険証を元勤め先に返却し、国民健康保険に加入するために市役所で手続きをした。
あと、税務署に開業届けも出した。
⑥ ブログの書き込み開始
「教室集客にはブログだ!!」と思っていたので、教室ブログづくりを始めた。
実際はオープンの2か月前頃からスタート。検索結果に引っかかるまでに期間がかかると知っていたから早めにスタートしたのだ。
そのおかげでこのブログは今でも新しい生徒さんが体験レッスンを申し込んでくれる媒体にまで成長している。
その教室集客のノウハウを別ブログで発信しているので、もし興味があれば見てみてほしい。
そして、物件契約の時が来た!
そんなこんなでいろいろ動いていた。
物件ももちろん探していた。
生協の部屋が使えるという話を聞けば電話をして話を聞いてみたり(営利はダメらしい。・・・あれ、でも生協に入っている英会話教室があるな?)、地域の集会所で教室を開いているところがあるらしいと聞けば町内会長に電話してみたり。
それでも、見つからない。
これはいよいよ10月1日オープンには間に合わないか・・・?
そう思っていた矢先、妻から「教室に使ってもいいよという人がいるよ」と話が来た。
しかも、家賃は4万円でいいという。今までの物件の半分以下の値段だ。
その話を聞いた私は直感的に思った。
エンジェルが来てくれた!!

頑張ってくれば、天使みたいな人が来てくれるのではないかと思ったが、本当に来てくれた。ありがたやありがたや。
話をもらって、一週間以内に契約書を交わし、場所は決まった。
その時には、残り半月となっていた。
「あと半月ですべてを用意しなければ!!」
そう思った私に、妻が声を掛けてきた。
「ねえ、覚えている? 私、しあさってからMom(お母さん)に合いに一週間行ってくるのだけど?」
「おおお、覚えているよ、もちろん」
私はひきつった笑顔で答えた。
果たしてオープンまでに間に合うのか?
(To be continued … つづく)
