日本経済新聞のHPにこんな見出しの記事が掲載されていました。
この記事の中で、さらにこのように述べられています。
15年発表のマイクロソフト調査によると、00年から十数年で平均アテンション・スパンは12秒から8秒に縮まったそうだ。金魚の9秒よりも短い。水槽の中で落ち着きなく泳ぎ回る金魚より、人間はひどいことになる。
き、金魚よりも短い集中力の持続時間・・・。

うーん。できる人もいたけど、できない人もいたよ。それは今の時代も一緒だよね。
私がここでお伝えしたいのは、「一部の人が言う年齢層によって集中力が異なる・若い人ほどアテンションスパンが短いという説は間違っている」ということ。でも、この記事で伝えたいポイントはそこじゃないのです。
どんな年齢層であれ、アテンションスパンは短いし、若い人だけが短くなってきているわけではないということは事実。
私が伝えたいのは、そういう中でどのようにして自分の文章を読者にしっかり読んでもらうか、そしてどのように読んでもらえる形で自分のことを伝えるかというのはこれからビジネスを行っていくにおいてとても大事だということです。
この記事では、「集中力が極端に短い時代の中で、どのようにものを売るか?」というテーマで、特に個人の教室の経営者のクライアントさんたちとのやり取りをもとにお話をしていきたいと思います。
この記事を読むことで、自分の売りたいものをしっかり売る為の文章を作る際に何を意識すればいいのか、そして具体的にどう行動すればいいのかということを知り、実際に行動に移せるところまで理解をしてもらえるように書いていきたいと思います。

Contents
まず一番最初に伝えたいこと「つまらないのはダメ」
あなたが何かモノを売りたい時に、「8秒しかそれについて話ができない」というルールがあったとしたら、あなたはそれを売ることができるでしょうか?
多くの場合、8秒ではあなたの商品の魅力を伝えることは不可能でしょう。
短時間であなたの商品・サービスの魅力を伝えるやり方として有名な「エレベーター・ピッチ」でさえ、30秒という時間が必要です。
エレベーター・ピッチとは、ITの本拠地である米シリコンバレーが発祥。ここでは、次のGoogleを目指す多くの起業家たちが日に数十件の投資案件を目にするプロの投資家たちに自分のビジネスプランをアピールします。
そんな中、「起業家はエレベーターの中で投資家に会ったら、自分のビジネスプランを30秒で的確に伝えられなければ未来はない」と言われてきました。これがエレベーター・ピッチ(“ピッチ”は「説明する」の意味)なのです。
30秒でさえも短く感じるのに、8秒で何ができるのかというと、何もできません。そもそも8秒で魅力を全部伝えられるモノだとしたら、逆に全然魅力がないものだということができるでしょう。
多くの場合、教室の魅力を経営者が文章で伝えようと思うと、必ず文章は長くなります。「あれも、これも」と入れていくので、とんでもなく長い文章になるというのです。
下手をしたら5000字くらいの文章ができてしまいます。
それでは、「8秒しか集中力が持続しないのに読まれないのではないか?」と思うかもしれません。しかし、それくらい書かないと他の教室との差別化はできませんし、納得した形で体験レッスンに来てもらうことはできません。
そして、私が指導して書いた先生の文章は読まれるのです。
それは、なぜなのでしょうか?
自分のことばかり言うから、飽きられる
集客できていない多くの先生が陥っている問題は、(HP・ブログの)「文章が読まれない」というものです。
「文章が読まれない」=「行動しない」ですので、読まれるかどうかというのはとても大事なのです。
ではなぜ多くの先生の文章が読まれないのかというと、その理由はカンタンです。
自分の教室の特徴ばかりしか書かないからです。
考えてみて下さい。
もし、あなたの友達が自分の自慢しかしなかったら、あなたは集中して話を聞き続けることができるでしょうか?
見た目は愛想よくしていても、心の中はこんな風になりませんか?

「早く話が終わらないかな・・・」と。
それと一緒で、あなたの教室の良さだけを、特徴だけを延々と言われても、読者は苦痛に感じてきます。こういう時の集中力の持続時間は8秒(下手したらそれ以下)となってしまうでしょう。
では、どうすれば長い文章でも読んでもらえるようになるのでしょう?
読み手が知りたいのは、教室に行くことで自分がどうなるのかということ
よく「読んでもらうには読者が知りたいことを書きましょう」と言われますが、「具体的には何を書いたらいいんだ?」と思うことはありませんか?
それが分からないから、自分の教室の良さを書かざるを得ない。そういう負のスパイラルに陥っている先生はいっぱいいるのです。
こういう時に私が指導するところは、「教室に来ることで相手がどうなるのかを伝える」ように文章を変えるということ。これを意識することで、今までとは180度文章が変化するのです。
読者が一番興味のあることは、読者自身です。
だから、「読者がなりたい自分に教室に行くことでなれる」と分かれば行動します。そしてそういう文章を書けると、全部読むのに8秒以上掛かるとしても、ちゃんと文章を読んでくれるのです。
あなたがよほどのスターや有名人でない限り、あなた自身の「特徴」だけをいくら述べても右の耳から入って左の耳から抜けていきます。それではいくら文章を書いたとしても、馬の耳に念仏です。
例えて言えば、車を買いに行った時、その自動車のスペック(エンジンで言えばエンジン型式、総排気量、圧縮比、最高出力、最大トルク、燃料タンク容量など)だけを言われても多くの人にはチンプンカンプンです。
そうじゃなくて、例えば「このワゴン車は6人乗りの車ですが、後部座席を折りたたむことで背後にスペースを作ることができます。大型犬でも無理なく乗れるので、家族と一緒にペットも一緒に旅行に連れていけるので休日が楽しくなる車ですよ」と言われると、それがドンピシャな人は「それ、まさしくうちの家族にピッタリ!」となるのです。
すると、その車についてもっと知りたくなるのでスペックについても興味津々に話を聞いてくれるようになります。順番を逆にしてはいけないのです。
「それを買うと私はどうなるのか?」ということに答えることが先なのです。それを聞いて、「あ、私の為のモノだ!」と思うからこそ、スペックのように細かいことも集中して聞けるようになるのです。
多くの集客できない先生(やお店の経営者)はこの順序が逆になっているから集客できないのです。
あなたの文章を読みつつ、読者があなたの商品・サービスの購入が読者自身が将来ハッピーになれるかどうかを伝えているか、見直してみてくださいね。

それができていれば、文章を通して集客できるようになるでしょう。
昔も今も、人は同じ「買う理由」でモノを買っている
そして最後に、とても大事なことをお伝えしたいと思います。
それは、年を取っているから、若いからとかで、年齢の差で消費の本質が異なるということはないということです。
女性が化粧品を買う理由は今も1970年代も変わりません。50年前のメッセージが今全く通じないかと言えば、そんなことはないのです。
認知 → 興味 → 欲求 → 行動
という、AIDAと呼ばれる心の動きは今も昔も変わらないというのです(AIDAについては下記の本を参照のこと)。
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もちろん、時代によって多少流れに変化が生まれることはあります。電通が提唱するAISASもその一つです。
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しかし、本質的なところは何も変わらないのです。
人は、自分が欲しいものを買います。そして、欲しいものとは、商品・サービスそのものじゃなくて、それを買うことを通して、利用することを通して得られる「何か」なのです。
その「何か」を知ることが「集中力の持続が8秒しかない時代」にモノを売る為に必要なこと。
自分の顧客を知らなければならないというのは、つまりそういうことなのです。
あなたは自分の顧客の「何か」を知っていますか?
① 顧客が商品・サービスを買うことを通して得たいものを知る。
② それが得られる商品・サービスを売る。
③ それが得られることを伝える。
